落ちていく。 あ。まただ。 夢と、夢? 物語と、物語。 もしも、本当に、そういうものを渡っているのだとして。 わからない。 ここはどこ? 夢を渡ると言われたよ。 いろんなものを見たね。 それとも、ぜんぶ、夢? わからないね。 ただ、ただ、落ちていくだけ。 あたしのまわりには、ざぶんと勢い良く流し込んだ水にできる泡みたいな、青い色をした光の粒、粒。粒。
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「あ……!」 見える── ほら。見える。 ──ジャガーの物語。いまの世界のひとつ。 ──都市の物語。むかしの世界のひとつ。 ──砂漠の物語。むかしの世界のひとつ。 ──漆黒の物語。いまの世界のひとつ。 ──仮面の物語。いまの世界のひとつ。 それに、ほら、見える。 ずっとずっとむかしの世界、むかしの物語。 あれ── 「あ──」 ああ、そっか。 粒のひとつを、物語の、夢のひとつを覗き込んで、見つめていたあたしの“瞳”の先が仔猫になってたのかな? そうなんだって頭のどこかで言う声がするけど、どうなんだろう。 「これも、メモリー」 「本と同じ?」 「誰かの」 「メモリー」 そうだよ。 あたし、本当に、夢を渡ってるのかな。 あたし、やっぱり落ちているだけなんだ。 落ちてるだけ。 それって……。 『──リリィ』 Aが耳元で囁く。 『仮初めの目的地に、到着するよ』 うん。 ちゃんと何かをできるあたしじゃないけど。 それでも──
──そうして欲しい誰かがいるなら。
〜第四回へ続く
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