■『一から始める遊郭経営』

嘉門「さて、鉄つぁん、いよいよ今日から俺が高瀬屋の経営を始めるわけだが」
鉄佐「へい、旦那様。ぜひとも、高瀬屋を立て直してくださいよ」
嘉門「しかし、実際、こうして画面を見ても、どうやっていいかわからないもんだな」

鉄佐「なるほど、旦那様も遊郭の経営は初めてですからなぁ」
嘉門「ああ。できることと言ったら、『店に投資をする』『維持費と価格を設定する』『采配を選択する』くらいのものなんだな」
鉄佐「ええ、それらを駆使して、売上を立て、店を大きくしていくことが目的になりますな」
嘉門「まぁ、ものは試しだ。やってみよう」
鉄佐「ええ。では、どのように?」
嘉門「そうだな……。よし、決めた! とりあえず、なにもしないで行ってみよう!」
鉄佐「はぁ!?」



鉄佐「本気ですか、旦那様!?」
嘉門「ああ、とりあえず、なにもしないでどこまで行けるか試してみようじゃねぇか」
鉄佐「へ、へぇ……」

〜なにもしないで一ヶ月経過〜

嘉門「……金が増えたな」
鉄佐「……そりゃ、使っていませんからな。すぐに赤字になるほどうちも足腰の弱い店じゃありませんからな。しかし……」
嘉門「よし、このまましばらく行ってみよう!」
鉄佐「ええ!?」

〜さらに一ヶ月経過〜

嘉門「順調なんじゃないか? 人気も上がってるぞ?」
鉄佐「人気はなにもしなくても上がることもありますからな。ですが……」
嘉門「よし、このままどこまで行けるかやってみるか!」

〜さらに一ヶ月経過〜

嘉門「人気が減ったな……」
鉄佐「ええ。そろそろ、なにもしないことの弊害が出始めますぜ」

〜さらに一ヶ月経過〜

嘉門「しかし、金は増えているんだよな」
鉄佐「しかし、人気は下がってきてますな。それに、投資しないことによる悪影響も出始めてますぜ」

〜さらに数ヶ月経過〜



嘉門「うぉ!? とうとう赤字になっちまったぜ!」
鉄佐「投資をしないことで、店の質は確実に悪化してますぜ。それがお客の不満につながり、人気が下がり続ける。こいつぁ、よくない流れにはまってますぜ」

〜元政六年終了時〜

嘉門「一年でこの有様か……」
鉄佐「金こそは、そこそこ残ってますが、完全に人気はなくなってますな。人気はお客の入りにもつながりますし、店の質が下がっているおかげで、ご祝儀もろくに入ってきてませんな」
嘉門「うーん、これじゃ駄目ってことか」
鉄佐「ええ、投資をしないと、店の質が下がります。質が下がれば、店に来たお客から不評を買い、人気が下がります。人気が下がれば、お客も寄りつかなくなる。このまま行けば、ひっそりと店をたたむことになりますな」
嘉門「うーん、やっぱり投資は重要ってわけだな」
鉄佐「ええ」
嘉門「んじゃ、次は投資をしたらどうなるか、試してみるか!」

〜全力で投資してみよう!〜

嘉門「全額、投資してみるぜ!」
鉄佐「これはまた、極端な……」

〜全力で投資した月末〜

嘉門「手持ちが減っちまったな」
鉄佐「しかし、人気は上がってますし、売上やお客の入りも、なにもしなかった時より、よくなってますな」
嘉門「おう! んじゃ、しばらく全力投資でいってみるか!」

〜まだまだ全力投資!〜



嘉門「今月も所持金が減ってるな」
鉄佐「ええ。投資ってのは、すぐに効果がはっきり出るもんじゃありません。二ヶ月、三ヶ月と徐々に効果が出てくるもんなんでさぁ。効果がはっきりと出るまでは、投資した分、赤字になるのも覚悟しなくちゃなりませんな」
嘉門「なるほどな」
鉄佐「気をつけなきゃいけないのは、所持金が減ると、投資に使う額も減っちまうってことでさぁ。効果が出る前に、店が破産しちまったらなんにもなりません。そこんとこは注意してくだせぇよ」
嘉門「おう」

〜そして半年後〜

嘉門「所持金も増え出したな」
鉄佐「ええ。しかし、投資だけじゃ、店はいつまでたっても、中見世には戻れませんぜ」
嘉門「そりゃなんでだい? 経営は順調じゃねぇか」
鉄佐「中見世になるには、いくつか条件がありましてね。その中には、『采配』が関係してくるものもあるんでさぁ」
嘉門「ほう、それじゃ、今度は采配を中心に試してみるか」

〜采配を試してみよう〜

嘉門「これが『采配』だな」
鉄佐「ええ。どれも店をよくしてくれることには違いないんですがね。采配を実行する時に金がかかったりしますし、だいたいは効果を得るために、維持費が増えたりするんでさぁ」
嘉門「うぉ。この『増築「梅」』は100両もかかるんだな」
鉄佐「ええ、しかもその効果は店に置ける遊女の数を増やすことだけです。今はまだ、遊女も少ないですし、必要ないでしょう。『采配』は、効果の説明をよく読んで、その時、必要なものを採用しましょう」
嘉門「そんじゃ、こっちだな」

〜すぐに役立つ『采配』はこれだ!〜



鉄佐「『芸者』と『幇間』ですか。いいところに目を付けましたな」
嘉門「それじゃ、さっそくこの二つを採用してみようじゃないか」

〜『芸者』と『幇間』を採用してみた〜

嘉門「初期費用に加えて、維持費があがったな」
鉄佐「ええ。それじゃ、これで一ヶ月の結果を見てみましょうか」

〜そして月末〜

嘉門「所持金は若干、減ったな」
鉄佐「しかし、人気はあがってますな。特に祝儀がなにもしなかった時より増えてます。維持費がかかる分、効果は出ているようですな」
嘉門「なるほど、維持費が増えるのと相談して、『采配』を増やしていけばいいってことだな」
鉄佐「ええ」
嘉門「んじゃ、次は、その維持費の設定とかをいろいろいじってみようじゃねぇか」

〜維持費と価格を動かしてみよう!〜

鉄佐「これまた極端にしましたな」
嘉門「維持費を削った分だけ、価格を安くして客を集めようって狙いだよ」
鉄佐「さて、うまくいきますかね」

〜そして月末〜

嘉門「どうも、よろしくねぇようだな」
鉄佐「ええ。維持費ってのは、ケチってるとどんどん、店の質が下がっていくんでさぁ。思い出してくだせぇ。なにもしなくても、だんだん人気が下がって、客が減っていったじゃないですか。そこをさらに維持費をケチれば、さらに悪い方向に進んでいくんですぜ」
嘉門「こりゃ、よっぽど手持ちが厳しい時以外は、維持費はケチらねぇ方がよさそうだな」
鉄佐「ええ。価格が安けりゃ客が喜ぶと思ったら大間違い。安くても、ひどい店ならやっぱり客は腹を立てるんでさぁ」
嘉門「そんじゃ、こうしてみたらどうよ」

〜ちょっと工夫してみよう!〜

嘉門「維持費を全部『潤沢』にした上で、価格は『激安』にしてみたんぜ!」
鉄佐「これはまた、極端な……」
嘉門「外せば、破産一直線だな!」

〜そして月末〜

嘉門「人気は上がったが……、所持金は減ったな」
鉄佐「人気が上がってる分だけ、狙いは悪くないようですが、これだけじゃやっぱりいけませんな」
嘉門「そうだな。つまり、これと『投資』、『采配』を組み合わせれば、いけるんじゃねぇか?」
鉄佐「その通りです! つまり、店を建て直すには、『投資』『采配』『維持費、価格の調整』、これらを所持金の残高にも注意しながら、うまく組み合わせていくことが大切なんでさぁ!」
嘉門「『投資』を疎かにしてりゃ、店の質が下がる。『采配』はうまく使えば、効果が見込める。『調整』もちゃんとやっておかなきゃいけないってことだな」
鉄佐「へい! それさえしっかり押さえておけば、高瀬屋もすぐに中見世に戻れます! ゆくゆくは大見世にだってなれますぜ!」
嘉門「よぉし! それじゃいっちょ、やってみるか!」

〜いっちょやってみた!〜

嘉門「攻めの経営だ! 『投資』は全力で! 『采配』も全力で! 『維持費・価格』は『潤沢・激高』で! 所持金はすっからかんで維持費はすごいことになってるが、すぐに取り返して見せるぜ!」
鉄佐「さすがは、あっしらの旦那様だ!」

〜そして月末〜

嘉門「あれぇ!?」
鉄佐「破産しちまいましたよ、旦那様! あれほど、所持金には注意してくだせぇと言ったじゃないですか!」

〜お後がよろしいようで〜

氷笹「……やれやれ、なにをやってるんだかねぇ」
天音「み、皆さんは、ちゃんと収支のバランスを考えて、お店を経営してくださいね」
珠琴「あたしが出てくる前に、お店を潰しちゃだめですからね!」
氷笹「ま、父御どのがしっかりしてくれないと、わたし達も困るんだからね」
珠琴「大丈夫! ここを見ている父御どのなら、きっと上手くお店を建て直してくれますよね!」
天音「それでは、頑張ってお店を経営してくださいね。わたし達もがんばりますから」

 

それでは皆様、よき遊郭経営をお楽しみください。